このブログはTRPGでの出来事なんぞを、書こうとしてる ブログですよ。
冬吹雪。
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届かなかった言葉。
2007-09-18-Tue  CATEGORY: SS
今度は多少文がついたのでSSに分類。

けれどネタ帳に間違いはない。

あの時、こうしていれば。

あの時……。

某NPCのその後を書き殴ったサイドストーリー。

とか真面目な事書いてもそんな大層なもんじゃねぇ(笑
 お前はあの時俺に何と言ったのか?
 ──今でも俺は夢に見る。お前は、あの時何を言った?何を伝えたかったんだろうかと。



 遠くから声が聞こえる。俺達二人を追いかけてくる奴らの声だ。
「おい、どうするよ。お前は片腕がダメになっちまってる、俺は無傷だがんなに足は速くねぇ、おまけに……」
 身にまとったプレートメイルを鳴らし男は走っていた。
「弓を打てないこの身体じゃ、俺は奴に攻撃を与えるのは難しい。それに……俺たち二人を逃がしてくれるほど優しいやつじゃない」
 隣には身体の肌が褐色、装備は剣士と言うよりもむしろ弓兵であろうその青年は男にそう答えた。
 二人は『仕事』を失敗したのだ。それは決して全うな仕事とは言えない、けれども二人はその手を黒に染める事を選んだ。
 闇種族への圧政を企らんだ為政者、それを狙うのが彼等の仕事だった。狙うといっても、勿論暗殺だとかそんな血生臭い事はするつもりは無い。
 ちょっとしたイヤガラセをする程度だ。まぁ、それでも目障りな事に違いは無いだろうが。
 基本的に彼等の目的は闇種族の発見、保護を第一とし安全な所へと避難させたりするのが主だった仕事だった。
 勿論、強制はしない。そもそも酷い目にあわせた種族がいきなり現れて都合の良い事だけを言うのだ。普通は怪しむだろう。
 異端、この二人はこの時代そう呼ばれた男達だ。
「クソッ、まさかあんな化けもんを連れてやがるとは……」
 今思い出しても腹が煮えくり返る様だった。
「待ち伏せ、いや、罠か。最近表立って俺たちの事が噂になっていたのが仇になったな……」
 そう、二人は嵌められたのだ。 情報に踊らされた、一言で言えばそれだけだが、その思わぬ反撃は二人に大きなダメージを与える事となった。
「仕方ねぇ、俺はまだ無傷。お前はもう腕がまともにうごかねぇ、こうなったら選択肢は一つだろうが」
「おとり、か。確かにそれが一番確率は高い。……だが、囮になったほうは確実にやられるぞ」
 この二人が完全にチームワークを発揮し、相手に相対したなら勝つ自信はあった。しかし、それは二人が完全に万全の状態で挑んだ状態での話だ。
 今はどうにかして生き残る方法を模索して、この場を切り抜けねばならない。
「最悪の場合、俺は死ぬ覚悟は出来てる。お前にゃ荷が重いぜ、ゴンベさんよ」
「守りたい物、か。俺には多すぎるかも知れないな……」
 ゴンベと呼ばれた青年は何かを懐かしむように目を細めた。
 その様子を見ていた男は、何も言わず無言でその横顔を見る。
「なに歳くったおっさんみたいな事言ってんだ、おっさんじゃあるまいし」
「あぁ、お前の台詞だったか? 悪いな、ディアベルド」
 その言葉を聴いたディアベルドは反論しようとするものの、すぐに口をつぐんだ。
「こんな事言ってる場合じゃねぇ、とっととあいつの鳴き声のする方向を教えろ。俺が行く」
 ディアベルドはゴンベに耳を使うように促す、それと同時にゴンベは走りながら目を瞑り、集中する。
「──……あっちだな」
 ゴンベは今まで来た道の逆を指差した。
「やっぱりか、じゃあな。ゴンベさんよ、これが今生の別れだろうが、村の方は頼んだぜ」
 ディアベルドは今まで来た道を引き返そうとその身を翻した。それと同時に、ゴンベはディアベルドへと声を掛ける。
「ディアベルド」
「あん?なんだよ、今更死んで悲しむ間柄でもねぇだろ」
「……滑って転ぶなよ」
「てめぇ、ぜってぇ後で覚えてやがれ……」
 拳をプルプル震えさせ、青筋を浮かべるディアベルドに、ゴンベはさらに何かを言おうとした。
 けれど、その言葉はディアベルドには届かなかった。それを確かめる術はもう無い。



 次に会った時の彼は、物言わぬ死体となっていたから。
「おい!てめぇ、何で嘘つきやがった!おい、何とか言いやがれ!こんちくしょう!」
「落ち着いて、ディアベルドさん!もう、もうゴンベさんは死んだんです!」
 ムカついた。嘘を言われた事がムカついた。
 笑って死んでいることにムカついた。
 自分が生き残るより、あいつが生きていればできる事が遥かに多かっただろう事が気に食わなかった。
「守ってやるんだろう!?あの冒険者共にもそう約束したんじゃねぇのかよ!お前の生きた証を残すんじゃねぇのかよクソッタレ……!」
 涙なんて流れない、悲しくもなんとも無いから。ただ、憤りだけがあった、どうしてお前が先に逝っちまうんだと。
 その日から俺は夢を見るようになった。俺はゴンベに教えられた道をただ素直に走っていくのだ。
 そして、いつもその前にあいつは何かを言おうとする。けれど、その言葉は俺には届かない。
 ──届かない。 もし、届いていたのならば……俺は、どうしたんだろうか?
 あのただ自分の道をひた走っていく男の背中を、追いかけていたんだろうか。
 それとも、何も変わらなかったのだろうか。 今でも俺は、その問い掛けに縛られ、こうしていつも夢を見ている。
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コメント

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コメントきさきゅう | URL | 2007-09-18-Tue 19:14 [EDIT]
ゴンベとディアベルドのその後ですか!

う~ん…ゴンベも格好良いけど、ディアベルドもほんと良い漢だなぁ…
コメント冬摩 | URL | 2007-09-20-Thu 12:05 [EDIT]
あの後しばらく経ってからの出来事です。

そういやディアベルドは年齢不詳っぽいですけど。
どうにもゴンベ曰く27,8くらいっぽいですね(笑

セッションでこれの続きをやろうかな的なことを考えてたりするのですが、なにぶん分かる人じゃないとダメっぽいので思案中です。
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